HemoCueロゴ

薬剤耐性(AMR)における白血球測定の意義

抗菌薬はきわめて強力です。患者は、抗菌薬がウイルス感染も含めあらゆる種類の感染に有効であると誤解しがちです。しかし、事実は異なります。

抗菌薬は有効な場合のみ処方を

「今すぐ抗菌薬を処方していただけますか」 これは医師が何度となく繰り返し聞いている問い合わせではないでしょうか。多くの医師は抗菌薬が必要かどうかの検査を行い、結果が検査室から戻ってくるのを待つでしょう。もしくは、万が一の場合に備えて抗菌薬を使って治療を始めているかもしれません。理想的には、すぐその場で検査を行い、適切な治療を患者に提供できることです。ここでは、抗菌薬がどれくらい強力であるのか、正しく使用しないとどれほど有害になるおそれがあるのか、また、その場で患者に抗菌薬を処方するためにどのような点に注意すべきかの3つについて深く掘り下げます。

抗菌薬の効力

抗菌薬はきわめて強力です。体に入ってきた細菌と戦い、生命を救っています。抗菌薬はもともと、細菌、真菌、カビなど自然に存在する微生物由来で合成されました。様々な種類の抗菌薬がありますが、大きく分けると、細菌の繁殖を止める(静菌性抗菌薬)か、あるいは細菌を破壊する(殺菌性抗菌薬)があり、いずれかの方法によって効果を発揮します。

元来、体には有害な細菌と戦う機能が備わっています。白血球が有害な細菌を攻撃し、感染状態から回復します。しかし有害な細菌は時に非常に早く増殖し、体の防御機能だけでは回復しないことがあります。このとき、抗菌薬が必要になります。患者は、抗菌薬が細菌性感染だけでなくウイルス性感染も含めあらゆる種類の感染に有効であると誤解しがちです。しかし、そうではありません。

最初の抗菌薬は、1928年にスコットランドの生物学者・薬理学者・植物学者であるAlexander Fleming(アレクサンダー・フレミング)によって発見されたペニシリンです。後にノーベル賞を受賞した際、「知識のない人が安易に低用量の抗菌薬を服用して細菌を不十分量の抗菌薬にさらすと、細菌に耐性を持たせてしまう危険性がある」と述べました。

残念なことに、彼の言ったことは正しかったのです。

抗菌薬の乱用が社会に問題となり得る理由

今日、急速に薬剤耐性菌を増やしてしまうような抗菌薬の乱用がみられ、その結果、多くの抗菌薬が効かなくなります。抗菌薬が効かなくなると細菌が体内に残り、ほかの人に感染が広がる危険性が増します。こうなると感染症の治療が難しくなり、疾病や障害が長期化あるいは死に至るため、社会にとって問題になります。

世界保健機関(WHO)によれば、毎年48万人が多剤耐性結核に罹患し、薬剤耐性(AMR)はヒト免疫不全ウイルス(HIV)やマラリアの治療を複雑にしています。有効な抗菌薬がなければ、臓器移植やがんの化学療法、糖尿病の管理、大手術時など、多くの医療処置のリスクが高くなります。また入院の長期化に伴い医療費が増大し、集中治療が必要になります。

医師が抗菌薬の処方に自信を待つには

では薬剤耐性(AMR)と戦うために何ができるでしょうか?まずは薬剤耐性と戦うには、全世界で政府や社会が一斉に行動する必要があります。そして医師であるあなたから行動を開始することもできます。抗菌薬は世界の様々な場所で人々に乱用または誤用され、専門的な監督なしに投与されることがあります。たとえば、ウイルス感染した患者が抗菌薬を摂取する場合です。時間がなく手元に血液検査機器がない場合、医師は誤った判断をすることがあります。

その場で総白血球数と5分類を測定

HemoCue® WBC DIFFシステムは、白血球5分類が得られる唯一のポイントオブケア検査(POCT)機器です。臨床症状と併せてこの検査を用いることで、細菌感染かウイルス感染かを判断する助けとなります。その場で本当に必要な抗菌薬を処方することが可能になります。

HemoCue® WBC DIFFは、簡単な操作によりわずか5分で測定できます。白血球5分類を得ることによって、患者の臨床評価に情報が加わり、必要な追加検査や治療方法の判断ができるようになるのです。

この内容に関するほかの関連記事や情報記事については、HemoCue®のウェブサイトをご覧ください。

このウェブサイトではクッキーを使用しています

クッキーの使用について